(一)この世界ごと愛したい




「お腹すいたねー。」


「確かに。」


「とりあえず戻ろっか。」


「ああ。」




朝もコーヒーだけだったので。昼過ぎになるとお腹もすきます。


ということで別荘に戻ることにしました。





「お昼ご飯残してくれてるかなー。」


「お前が頼めばなくても出てくるだろ。」


「なかったら諦めようよ。今から準備してもらうのも可哀想だし。」


「えー。」




そんな私の心配を他所に、やっぱりうちの使用人たちは皆さん優秀で。


残り物でいいんで…と声を掛けたものの、それは豪華なランチがすぐに部屋まで運ばれてきました。





「本日は温泉のご用意が整っておりますので、ご希望でしたらご案内します。」


「行きたいっ!」


「承知しました。お時間はいかがいたしますか?」


「うーん。夜ご飯の後にしようかな。」




温泉なんて生まれて初めてだー!


源泉からお湯が湧き出るなんてすごいよね!地底の火山もかなり興味ある!!




「かしこまりました。混浴でよろしいですか?」




使用人がぶっ飛んだことを言うので、私とるうは二人して固まる。



こ…混浴っ!?!?





「…べ、別々に、入りたいです。」


「ではお時間ずらしてご案内しますね。」




もうたぶん真っ赤な顔で、申し出た私に優しく微笑む使用人に軽く怒りたくなった。



何てこと提案するんだ!?