外に出る途中、出会う使用人の方々と挨拶を交わしつつ。バレないかちょっとドキドキした。
そして隣のるうが、いつもと全然違うラフな装いなので私は少し落ち着かない。
「…無駄な色気だ。」
「は?」
「こっちの話ー。」
普段は従者として、それなりにビシッと決まってる服しか着ていないるう。
年中休みなんてなかったるうは毎日そうだった。
でも、今はすっごくラフ…というか。普通の街にいるようなお洒落な男性が着ているような割とラフな服。
少し開けた胸元に光る赤い石が、とても映えてます。
「…るう、あれ何だろう。」
「あ?祠じゃね?」
森の探索中。
小さな祠を発見。
「うわうわうわ、ちょっと待ってね。」
私は、その祠に近付きじっくり観察。
祠は何度か修復された形跡はあるものの、かなり長い年月を経た物と考えられる。
綺麗に備えられたお供物は、きっとうちの使用人の人が備えてくれているんだろう。
こういう歴史的な建造物や文化に触れることはもちろん好きなんだけど。
何故か無性に、私はこの祠に惹かれる。
「…まさか。」
私は失礼は重々承知で、祠の小さな観音扉を少しだけ開けて覗いてみる。
中には龍の置物が一つ。
そうか。
この祠は先代の火龍が眠っている場所か。
「……。」
「どうした?」
「…歴史って面白いなーと思って。」
私は祠に手を合わせ、祈る。
その冥福を。
そして、アレンデールをここまで守り抜いてくれたことへの感謝を込めて。
「…それにしても良い場所だね。」
「そうだな。」
「夜は星がすごく綺麗だったんだよー。」
「だろうな。」
るうと二人で、さらに森の奥へと進む。
見たことない木や植物。そのどれもが私の好奇心を揺さぶる。

