「だから私も忘れる。あれは事故です。」
「…いや…俺は結局お前に何を…。」
「い、言えるわけないじゃん!るうの馬鹿!!」
「…ごめんなさい。」
兎にも角にも。
お互いにこの件は忘れましょうという話になり、私たちは少し落ち着かない気持ちで朝のティータイムを過ごしました。
「……。」
「…あんまり見ないで。」
「…悪い。でも何とか隠さねえと、まるで俺が節操なしみてえじゃねえか。」
「城に帰る頃には消えてることを願います。私ハルに怒られるの嫌だよー。」
考えただけでもめんどくさい!!!
「リンなんてまだいい。俺はたぶん木っ端微塵だ。」
「何とか隠そう。」
「…ところで俺別に変なこと言ってなかったよな?」
「変なこ…と。」
ひたすら私の名前を呼び続けて。
『…好きだ。』
と。
色っぽく囁かれた気がします。
「〜っ!!」
「…何かは言ったんだな。」
「べ、別に…言ってたことは…普段のるうとあんまり変わらない気がした…と思う。」
「はぁ…。」
私も溜め息吐きたい。
好きだなんて。
セザールにいた時から今日まで、何回か言われてるのに。やっぱり慣れない。
それに昨日は余計…雰囲気も相まって私の記憶に刻まれる。
思い出すだけでも胸が締め付けられる。
「とにかく時間勿体ない!探索に行こう!!」
「…ああ。」
私はるうと協力して、荷物の中に何か隠せるものはないかと探し。オシャレなスカーフがあったので、違和感なきようにるうに巻いてもらった。
よし!応急処置はこれでいい!!

