(一)この世界ごと愛したい




建物の中は、この自然の中とは思えないほど荘厳で。なんか城を思い出せる感じもある。


そして中には使用人も数人いて、私達を出迎えてくれた。




「ようこそ。お会いできて光栄です、姫様。」


「…あ、うん。初めまして。」



使用人の筆頭と思われる男性が、私に挨拶をしてくれるんだけど。


…使用人いたんだね!?



これだけ広いし、そりゃそうなんだけど。こんな南の辺境でこの人達を雇ってるのは誰なんだ。




「もしかしてうちの所有地だったりする?」


「左様でございます。この別荘は、亡き国王陛下が王妃様へ贈り物として建てたものでございます。」


「お、贈り物…。」



建物って、贈り物としてあげるものだっけ。


パパのママへの愛情は底知れないな。と言うか、それでママはここを勧めたのか。




「王妃様より、決してお二人の邪魔はしないようにと言われておりますので。ルイ様もいらっしゃることですし基本的には何もいたしませんが、御用がございましたら何なりとお申し付けくださいませ。」


「いや、邪魔も何も…。別に気にせず…普通でお願いしたいんですけど。」


「お食事と清掃の手筈は整えますので、どうか自由にお過ごしください。」


「…あーはい。」




ママ、ここまで徹底してると余計気まずいって。


逆に気を使います。