(一)この世界ごと愛したい





「わあっ…。」



目の前に広がる、大自然。


コテージのような、別荘を匂わせる大きな建物。




「るう見て!小さい海がある!!」


「湖だろ。」


「すごーい!!!」



これが、湖か…!


周りに海や川もないのに、こんなに大きな水溜まりができるなんて。雨が降ったら溢れるのだろうか。




「では、私はここで失礼いたします。またお帰りの頃に参りますのでごゆっくりお寛ぎください。」


「ありがとうー。」




いつの間にか荷物まで建物内に運んでくれていた御者さんは、そのままさっきの街にでも滞在するのか引き返していく。


長旅で一番疲れているだろうに、何から何まで頭が上がりません。





「……。」



私はこの湖を見てさらに考えを巡らせる。


そもそもどうやってこれだけの水がここに溜まって枯れることなく存在出来るのか。地底から湧き出ているんだろうか。





「喜んでるかと思えば今度は何真剣に考えてんだ?」


「…自然界における湖の現況について。」


「お前は学者か。」


「気になってきたー。本欲しいー。」




学者なんて偉大な人には絶対なれないけど、好奇心溢れる私は気になって仕方ないんです。


潜って確かめてみたい。




「リン、とりあえず中入るぞ。」


「…うん。」




私たちだけで使うには大きすぎる建物の中に、一先ず入ることになりました。



湖の底の調査はまだ日が高い時に、安全を確認してから機会があれば…ということにします。