(一)この世界ごと愛したい




アレンデールの本は大体全部読んでしまっていたし、新しい本がこんなにたくさんあるなんて夢みたいだ。


その中から、私は持ち帰る本を選ぶ。



「これは部屋に運ぶ分ね。」


「はいはい。」



急ぎ、読みたい本は大急ぎでこの場で目を通した。


その中にはセザールの歴史が書かれた本が混ざっていた。もちろん深い部分は記されていないが。



セザールは元々、医術が盛んな国であったそうで。腕の立つ医術師は大体がセザール出身のようだ。



薬の原料となる草花の繁殖。


人体構造を熟知した進歩した医術。





「……医術、か。」




もしかすると、ハルを治せる人が…いるかもしれない。