「…ん。」
私は昨日に続き、今日も早く目が開く。
こんなに連続早起き成功させてしまって、雨でも降ったら大変だ。
火薬作戦がパーになってしまう。
「あれ?るう?」
隣にるうがいない。
昨夜の出来事を思い返して、私は寝室に鍵を掛けたまま眠ってしまったことに気付く。
…やっちゃったー。
るうに申し訳ないことしたな。
移動で疲れてるはずだから、横になって休ませてあげたかった。
外はもうそろそろ夜が明けようかとしているくらいの時間で。
流石にまだ寝てるだろうと思いつつ、そっと寝室から出てみると。
ソファーですやすやと寝ているるうを発見。
ほんとにごめんよー!!!
私は出来る最大限で、気配と物音を消して。
そっと宿を出ることにした。
「ちょっと早すぎたかなー。」
お誕生日プレゼントの加工が終わってないか、確認に行こうと思ったんです。
お店と自宅を兼ねていそうな店構えだったので、私は装飾加工のお店の前で、閉まっているドアをコンコンと叩く。
すると奥で灯りが付いて、昨日のおじさんが出てきてくれた。
「嬢ちゃん早起きだなあ。」
「ごめんね。たぶん朝一でこの街離れる予定だから、先に引き取っておこうと思ったの…。」
「さっき出来上がって今から少し寝ようかと思ってたとこだ!丁度よかったな!」
差し出してくれたネックレスには、しっかりと宝石が装着されていて。
私は笑みを浮かべる。
「素敵に仕上げてくれてありがとう。」
「いいってことよ!あんだけ報酬もらっちゃ、こっちも手抜けねえって!彼氏喜んでくれるといいな!」
「…彼氏…じゃないけど。うん、本当にありがとう!また来るね!」
私はおじさんに大きく手を振って、宿へと踵を返す。

