その頃。


るうは大いに反省していた。





「…何してんだ俺は。」




脱衣所で座り込んだまま、動けずにいたるうは浴槽から溢れ出る水の音に気付き蛇口からお湯を止める。


そこで私がるうのために準備したことを知って、深く溜め息を吐く。





「…風呂入って謝るか。」




とりあえず頭と気持ちを落ち着かせたいと考え、先にお風呂に入って。


お風呂上がりもしばらく後悔と反省で溢れかえっているるうは。意を決して私が逃げ込んだ寝室を開けようとした。



…しかし、私が鍵を掛けたので開かない。





「リン?」




呼んでも寝ているため応答しない私。



寝てるかもとるうは考えたが、怒って返事をしないとも考えられるため一旦ドアから離れて。


この豪華な宿の部屋に備え付けられていたソファーに、身体を預ける。






「…また、会える…か。」





本気で二度と会えないと思っていたるうが、私がふらっと帰ることを知って。


どれほど嬉しかったのか…私には検討もつかない。





るうを自分のだと、私が何気なく言った言葉が。


るうにとってどれだけ満たされる言葉だったのか…私は知らなかった。





そんなことがほぼ同時に起こって、るうはついつい舞い上がってしまったようで。




るうは明日しっかり謝ろうと思い、今日のところはその場で眠ってしまうことにしたらしかった。