もちろん、るうはお休みなので。


お湯が張ってないとか、そんなことに文句を言う私ではありませんよ。


私そもそもシャワー派だし。




「るうはそれが言いたかったのかなー。」




なんなら、私がるうのためにお風呂の準備しといてあげようかな。


そう思いシャワーを終えた後、浴槽にお湯を貯め始めた私って優しいよね!?





「うんうん。」



とりあえずこのまま置いといて。


私はさっさと上がってしまおうと思い、脱衣所に出る。





「…あ。」



お風呂上がりの服を準備するの忘れた。


忘れた…というか、普段はるうとかメイドさんが基本的に準備してくれるので全く頭になかった。



ここで私は先程のるうのお休み発言の意味を、何となく理解した。




「せ、性格悪…。」



分かっててのこれは酷い。


紳士じゃない!私が失念するのを見越してこの状況に陥れたな!?


準備しろなんて言わないけど、声くらい掛けてくれてもいいんじゃないの!?




とりあえずバスタオルを身体に巻いて、どうしようかと考える。


るう呼んで着替え取ってもらう?それともこのまま自分で取りに行く?





「…頼むのは癪だな。」



自分で行こう。


普段バスローブで城内ウロウロしてる私だし、多少露出が増えるだけで問題ないでしょう。





「……。」



そーっと部屋へ繋がるドアを開けると。


案の定バッチリるうと目が合う。




「おかえり?」


「……。」



なんて白々しい奴だ。



でも城を出たら自分のことは自分でやるのが当たり前になるんだし。いい経験だったと思おう。



私は御者さんが運んでくれた荷物の方へ、着替えを求めて歩くんですけど。




「…ヤバいな。」



るうが何か言ってる。


再び、私の警戒心が大きく反応する。私はここからスピードアップして大急ぎで適当な服を取り出し急いで脱衣所に戻る。





「…ふぅ。」