るうは綺麗に固まってしまい、瞬きさえも忘れてしまっている。



…だって、そうじゃないの?



るうは休みで旅行中とは言え、私はまだ一応姫だし!王族だし!!!





職権濫用しすぎ…か。


我が儘言いすぎたかなとあまりにも動かないるうを見て、少し反省する。







「…今なんて?」


「いやごめん、忘れていいよ。」


「もっかい。」




何故かもう一回の催促をされる。


何回も言えるほど、私は強靭なメンタルを持ち合わせていません。




「…とりあえず行こう?」


「……。」




やっと、本日泊まる宿に到着。


ハルが部屋は別々と頑なに言っていたが、果たしてどうなったんだろうか。





「姫様、お待ちしておりました。どうぞお部屋へご案内いたします。」


「ありがとうー。」



この宿の店主という方が部屋へ案内してくれるというので、大人しくるうと二人着いていく。




「こちらです。ご自由にお使いください。」


「私が姫だって、御者さんが言ったの?」


「いえ。王妃様より手紙を預かっており、そちらに予約の変更と姫様をおもてなしするよう言付かっておりました。」


「…予約の変更?」




ママ、いつの間にそんなことを。


あまりの手際の良さに驚きつつも、やはり気になったのは予約の変更という言葉。





「二部屋お取りいただいたお部屋を一部屋に変更と…聞いておりますが。」


「……。」




ハルごめんよ。


私は悪くないよ。





「…分かった。ありがとう。」


「とんでもございません。何かあればいつでもお申し付けください。」




宿主が部屋を後にしました。


再びるうと二人っきり。



さっきの一件から、るうはぼーっとしていて。もう何を考えているのかも分からない。