驚いた顔のるう。
そして隣の女の子。
「…るうは私と旅行中なの、ごめんね?」
「え、あ…。」
女の子は恐る恐るるうの腕を離してくれたので、私はそのままるうを引っ張って女の子たちの群れから脱出。
「……。」
「…おい。」
「なにー?」
とりあえず暗くなってきたし、宿に向かうことにした私は宿の方へ足を進める。
るうの手はしっかり握ったまま。
「どこ行ってたんだよ。」
「…助けるんじゃなかったな。」
「ああ?」
「ちょっと一人で歩いてただけ。心配かけてごめんね。」
自分のことは棚に上げといて。
とも思ったけど、探してくれようとしてたのは本当だろうから素直に謝りました。
「…なんで機嫌悪いんだよ。」
「え?私?」
「じゃなきゃ俺のとこにわざわざ来て助けるか?お前なら一人でその間自由にしたいからほっとくだろ?」
「……。」
それも確かに考えた。
正直、ラッキーだと思った。
でも…。
「…最初で最後だって言われたし。」
「……。」
「だったら私一人が楽しくてもだめだよ。」
「…リン。」
るうは、私の握る手を握り返した手に力を込めて立ち止まる。
なので、必然的に私の足も止まる。
「…それに、今はまだ…私のだよ。」
「え?」
「…私のるうだよ。」

