「…え?」
徐ろに私へ、見つけた本を差し出す。
「これじゃなかった?」
「あ…。」
その本は、私が取ろうとした弾みで雪崩に巻き込まれた本だった。
人を馬鹿とか暴馬とか散々言ってくれたくせに。
…調子が狂う。
「……ありがとう…ございます。」
「別に。俺は用は済んでるんでこれで。」
「はい。」
嵐のように現れて、爽やかに出て行った。
「まじで怪我ねえか?」
「全然大丈夫。ごめんね、心配かけて。」
「無事ならいい。」
るうも一安心したように溜め息を吐いた。
それにしても、第三王子も本読むんだな。どんな本読むだろう。
「よし!とにかく、他の本も見よう!」
「ここ本の整理も全然されてねえみたいだから、さっきみたいなことにならないように気を付けろ?」
「うん!」
他の国の本をこんなに沢山読めるなんて!
知識の山だ!素晴らしい!!!

