好きにしていい。言いたいことは言っていいと。
そう言ったらこうなるのか…。
しかし私よ。心を広く持て。
るうは今日お休みで、私のために旅行を計画してくれたんだから。
「ったく、すぐホイホイついていこうとしやがって。」
「……。」
カッチーンです。
私はもう無言で。るうが背中を向けた瞬間にフェイドアウトしました。この場を離れました。
…だって腹立つー!!!
「あー、せっかくの旅行なんだから楽しまなきゃ損なのに。」
るうはピリピリしてるんだもんなー。
ふと上を見ると、ここに来た時に一番に目に入った時計台が視界に映る。
「…登ってみたいな。」
そう思い立った私は時計台を目指す。
そして目の前まで来ると、さらに大きく見える時計台を前に私は好奇心が止まらない。
「…ここかな。」
中に入れるようになっていそうなドアがあったので、私はしれっと入る。
怒られたら後で謝ろう。
そして中の階段をひたすら登ると、また一つのドアがあるのでそのドアを開ける。
「うわあ…!」
まさに景色が一望出来るって感じ。
街全体を見渡せる。
夕焼け空が黒く染まりつつある風景さえ綺麗で、私は言葉を失ってしまう。

