「キャー!素敵!!」
「あの子羨ましいー!!!」
主に女性客達が黄色い歓声をあげる。
そうだよね。るうはカッコいいし女性人気は今も変わってないなー。
しかし、この状況は…。
「こ、こんなとこで何してんの!?」
「こんなとこじゃなきゃいいとも取れるけど大丈夫か?」
「だっ…大丈夫じゃない!!!」
あまりの公開処刑に私は居た堪れなくなり、足早にお店を退散。
もっと色んな話が聞きたかったのに!!!
「るうの馬鹿。」
「…誰が馬鹿だ。」
支払いを終えたるうが店から出てきた。
私の愚痴はしっかり聞こえたようで、それでもケロッと痛くも痒くもないみたいな顔をしている。
「…るうは恥じらいを持つべきだと思う。」
「お前に言われる日が来るとは思わなかった。」
「どういう意味!?」
「そのまんま。」
まるで私が恥じらいがないみたいな言い方だな!?
失礼しちゃうよ。
「お前が誰彼構わず愛想振り撒くから、変なのが寄ってくんだよ。」
「…振り撒いてないし。るうだって人のこと言えないじゃん。」
「俺は他意はない。」
「私だってないけど!?」
なーんか。
この旅行、幸先不安なんですけど。

