話がついたので店の外に出ると。
機嫌の悪そうなるうが私を睨む。あのネックレスそんなに大事にしてたのね。
「お前どんな装飾する気だ。」
「味気ないネックレスに一手間加えようと思って。大丈夫だよ、大体はそのまま戻ってくるから。」
「…不安だ。」
るうの不安は全て無視して、歩き出す。
私としてはもう少し街を歩きたい。けど、るうはどうだろうか。疲れてるかな?
「腹減ったー。」
「確かに。そういえば朝ごはん食べずに出発して、ここまで来ちゃったねー。」
「…飯でも食いに行くか?」
「行く!!!」
うわー!外のお店でご飯だー!
旅行とは本当に素晴らしいものだ!!!
「って言っても、俺もこの街初めてだし良い店知らねえんだよな。」
「見てー!丁度食べ物屋さんあるよー!」
「…ま、どこでもいいか。」
一先ず大衆食堂のような、良い意味で庶民的な店に入ってみた。
私は既にわくわくが止まりません。
「兄ちゃん!可愛い子連れてんなあ!」
「うわ!マジだ!すげー可愛い!」
店に入るや否や、絡まれることもありますが。
私たちは適当に注文を済ませてご飯を待つ。
「お兄さんも男前だねえ!」
「本当本当。綺麗な顔が二つ並んで、美男美女カップルだな!」
か、カップル…。
今まで恋愛脳のママの感覚が異常だと思っていたけど、異常なのは私の方だったのかと気付かされる。
世間では、なんでも色恋沙汰と結びつけたがるのが定石のようだ。
「あんま見んなよ、リンが減る。」
「リン?リンって言やあ、このアレンデールの姫様と同じ名前だけど…まさかな!こんなむさ苦しい街に姫様は来ねえか!!」
…来ちゃってるけど。なんかごめんなさい。

