「…どうした?」
「…うーん。」
「お前装飾品なんて興味あったか?」
それがないんですよね、私は。
そんなるうをチラッと見ると、いつも付けているハルにもらったというネックレスが目に入った。
「これだ。」
「は?」
「るう、そのネックレス貸して!」
「…何する気だ?」
「可愛くする。」
「するな。」
嫌がるるうからネックレスを奪い取り、るうは外で待っておくように伝えて私はお店の人に声をかける。
「すみません、このネックレスに加工して宝石付けたり出来ます?」
「ああ、出来るよ。嬢ちゃん表の彼にプレゼントかい?」
「そうなのー。渡したいのは宝石の方なんだけど、そのまま渡すと失くしそうだから。」
「こんな可愛い嬢ちゃんに愛されて、なんて幸せ者の彼氏だ。若いっていいねえ。」
私が、るうを愛し…!?
なんかとんでもない勘違いをさせてしまっているが、この際もういいか。
「宝石の方はどれだい?」
「あ、うん。これなんだけど…。」
「ほうー、見たことない石だ。」
「明日にはこの街を離れるんだけど、間に合うかな?」
職人のおじさんは考える。
無理を言っているのは百も承知だ。最悪避暑地からの帰りにここに立ち寄ってもいいんだけど、帰りがどういうルートになるか分からないし。
不安そうな私に、おじさんはニッと笑う。
「仕方ねえ。可愛い嬢ちゃんのためだ!徹夜で頑張るかっ!」
「ほんと!?お金これで足りる!?」
私はママが密かに馬車に忍ばせてくれていた、私のお小遣いを全ておじさんに渡す。
「はあ!?」
「え、足りない?」
「嬢ちゃん金持ちの家の子か!けど、流石に多すぎるって!」
「いいのいいの。徹夜の手間賃も兼ねて!どうせ私他にお金使えそうにないから!」
金持ちの家の子なんで!大丈夫です!!!
「引き受けてくれてありがとう!じゃあ明日の朝また来るねー!」
「任せとけ!」

