私はどちらかというとオマケだ。
旅行に便乗させてもらえるだけでも楽しいし嬉しいから、大満足です!
「じゃあ好きにしてる。」
「うん。そうし…よ……うん?」
るうは、私を持ち上げた。
かと思うと私を座っている自分の膝の上に乗せて、しれっとしている。
「…な、何?」
「好きにしてる。」
「いや、これは…どうなの?」
なんか近いし!!!
これじゃあ私はもちろん、るうだって身動き取れないでしょうに!!!
「どうって?」
「…い…いつまで?」
「ずっと。」
そう言ったるうが、そのまま私の首元に顔を埋める。
触れるるうの髪がくすぐったい。首元にかかる息が熱い。
「降ろして…というか離して。」
「お前が好きにしろって言ったんだろ。」
「ちっ…近い!!!」
そのままで喋らないでください!!!
声を荒げた私を、るうが見上げる。
出来れば今はやめてほしかった。どうせ顔も赤いし、どうしたらいいかも分かんないし。
「…思わせぶり。可愛くすんなって言ったろ。」
「〜っ…。」
注文が難しすぎるって!!!
さっきの話しかけるなっていう注文の方が分かりやすいし簡単だったよ!?
「…さっきは…怒ってたのに。」
「は?怒ってねえけど?」
「じゃあ何だったの?」
そう聞くと、るうは目を逸らす。
「…似合ってる。」
「え?」
「髪も服も…。王族じゃなくて、姫じゃなくて…普通のリンっぽくて、反応に困っただけだ。」

