話しかけるなと言われた私は、大人しく黙ったまま城門へ辿り着きました。
そして既に出発せんと待ってくれている馬車に早々に乗り込み座って待機。静かに、喋らないように気を付けている。
「……。」
「…行くか。」
私はコクコクと頷く。
そして動き出す馬車。御者の人はゆっくりと安全運転を心掛けているのが分かる。
…安全はいいから飛ばしてくれ。
と、心の中で思うけどそんなことも言えず。ただただ黙る。
「……。」
「…ごめん。」
るうがボソッと謝る。
「大丈夫、私ちゃんと静かに出来るから。」
「…もういい。」
「でも話しかけるなって言われたもんー。」
「謝っただろ。」
見事に開き直ったな。
まあ、何に気が立ってたのか知らないけど。確かにこんな日くらいるうも私に気を遣わず自由に過ごしてほしいものだ。
だから寛大な私は許してあげよう。
「大丈夫だよ。るうは思ったこと言っていいし、怒ってもいいし、好きにしてて。」
「……。」
「るうの休暇なんだから。るうが楽しくないと意味ないよー?」
「…分かった。」

