でも何も言えないのは、ママがあまりにも楽しそうで嬉しそうだから。
ここで文句を言うのは野暮だろう。
「うん!リン本当に可愛い!」
「…そうかなー。なんか浮かれてる感すごいけど。」
「浮かれたっていいじゃない。リンもう楽しみなのが顔に出てるわよ?」
「え、嘘!?ほんと!?」
恥ずかしすぎる!そんな顔に出てる!?
「さあ、行ってらっしゃい。忘れ物ない?」
「忘れ物…あ!」
私は例の宝石を慌てて服のポケットにまた忍ばせる。
「これで大丈夫!じゃあ行ってくる!ハルとアルによろしくねー!」
「ええ。楽しんで来てね。」
私は部屋でママと別れ。
城門へと向かう。
まだ朝早いこともあり城内はとても静かで、人もあまりいない。
「…ちゃんと起きたな。」
「るう、足止めされてるって聞いたけど大丈夫だったの?」
「王妃に頼まれ事。もう終わった。」
城門に到着する前にるうとばったり出会したので、一緒に向かうことになった。
「ねえねえ、まずは街を目指すんだよね?大きい街かな?何があるところ?」
「…とりあえず落ち着け。あとその格好であんま話しかけんな。」
話し、かけるな?
今から二人旅に出ようって時に!?
「…何の試練だこれは。」
「……。」
何かの試練を課されているらしいるう。
…これは慰安旅行だ。
るうの機嫌を損ねちゃいけない。
めちゃくちゃな理不尽を言われても耐えろ!私!!!

