街。
旅行。
避暑地。
温泉。
「っ!」
どうですか、皆さん。
私も本気を出せば一人でも起きれるんですよ。
「旅行だっ!」
私は目覚めた瞬間飛び起きて、まだほんのりしか明るくはない空を見て思わず笑みが溢れる。
るんるんで、足取りは軽く。
朝の支度を高速で終えて、昨日ママにもらった紙袋の中の着替えに袖を通そうと…思った。
「…え。」
ママが用意した服は、普段私が着ることのない可憐なワンピース。
私はその服としばらく睨めっこ。
いや、着てもいいんだけど。似合う気がしない。でも旅行ってこういうものなのか?
「仕方ない。なんか浮かれてるみたいだけど、実際そうだもんな。」
諦めて、私はそのワンピースを着ました。
タイミングを見計らったように、ドアがノックされてママが登場。
「リン可愛い!」
「…ママ、なにもこんな可愛い服じゃなくてもさ。いつもの動きやすいのでいいのにー。」
「早く座って座って!ルイを足止めしてるんだから!」
「え?るうも起きてるの?じゃあ私行かなきゃじゃん。足止めって何?」
もう頭の中は疑問符でいっぱいな私。
けど、無理矢理に座らされて。ママは私の髪の毛を綺麗にお洒落に仕上げ、そして少しだけお化粧を施す。
…気合い入りすぎじゃないか?

