「…寝よっかー。」
沈黙を破ったのは私。
ママが寂しそうな顔するし、るうは開き直ってるとは言え腑に落ちてない顔だし。
ちょっと耐えれませんでした。
「…ええ。明日は早くに出発するんだったわね。じゃあ明日見送りに来るから、しっかり起きるのよ?」
「見送りなんていいよー。それにちゃんと起きるから大丈夫だよ。」
「いいのいいの。明日の朝は私もリンに用があるから、着替えて待っててね。」
ママは綺麗に微笑んで、部屋を出た。
朝から私に用?今じゃダメだったのか?
そう思ったものの、聞けず終いだったのでとりあえずいいかと思って私は再びごろんと横になる。
「…俺も寝る。」
「うん、また明日ねー。」
るうも相変わらず曇った顔で私の部屋を出ていってしまった。
「…最後…か。」
るうにとっても、私にとっても。
最初で最後。
ふらっと戻ってきた時に、ハルとは旅行に行こうねって話をしたけれども。
るうとは最後なのか…。
「…るうが嫌なら仕方ないよね。」
私とるうは、それぞれすれ違ったまま。
この日は早々に眠って、旅行当日を迎える。

