ついこの前まではレンレンと言っていたママは、次はるうへとシフトしている。
たぶんるうの前で、レンを推したことを本人の中で気に病んでいたんだろうなと。そんなことを思ってしまった私。
「…そんなことする意味ある?」
「あるある!」
「恋人気分になる意味が分かんない。」
「あら、どうして?」
るうの告白を断る形になった私なんだけど。
仮に私が恋愛というものが分かるようになって、特定の誰かを好きになっても、私の根本が変わるとは思えないんだよね。
「私に恋人が出来るとは思えないけど、もし出来たとしても。たぶん私その人よりハルやるうの方が大事だもん。」
ハルやるうより大事な人なんて、早々出会えるわけがないんだ。
「…ねえルイ、これはリンなりのオッケーなんじゃない?」
「違うでしょ。」
「リンにはまだ難しい問題なのね。」
「何でも論理的に考えるタチだし頭は固いし。俺はもう開き直れてるんで大丈夫ですよ。」
すっごく悪口言われてません?
悪口じゃないにしても、褒められてはないよね?
「ルイは大人ね。」
「ま、旅行は楽しんできます。たぶん最初で最後なんで。」
そう言ったるうに。
私は返せる言葉がなくて。ママも黙るから気まずい空気が流れてしまいます。

