「…あれ、ママ?会食終わったの?」
「ええ。リンのことだから、旅行の準備まだなんじゃないかと思って。」
「これからするところだったんだよー。」
「もう、それだと結局ルイに迷惑かけるでしょう?」
ママはそう言って、私に紙袋を手渡す。
「これ明日のお洋服ね。馬車に荷物ももう積んであるから、ルイは何もしなくて大丈夫よ。」
「…すみません、王妃。」
「いいのいいの!たまには母親らしいことしなきゃね!」
謝るるうに、ママがパチッとウインクする。
ママのテンションが高い。こういう時はなんか怖いんだよなー。
「あ、ママは南の避暑地行ったことある?」
「私がルイに勧めたの。素敵な場所だからリンもきっと喜ぶと思って!」
るうはママに教えてもらったのか!
けど、それなら素敵な場所だというのはどうやら本当のようだ。やっぱり楽しみだー。
「ふふ。ルイ、リンをよろしくね。」
「…はい。」
「リンもあんまりルイに迷惑かけちゃだめよ?」
「わかってるよー。るうの休暇だもんね!私が逆に頑張らなきゃ!」
ママはニコニコと微笑んで。
「そうね、恋人同士の気持ちになって楽しんでいらっしゃい。」
とんでもないことを言う。

