「…待ってるんじゃなかったのか?」
部屋に戻ると。
既に食事の準備を終えてしまったるうは、時間を持て余して椅子に座って寛いでいた。
私だってそんなに時間はかかってないはずなのに、ここまで終わってることで、るうは相当急いでくれたことが分かる。
「ごめんねー。」
「いいからさっさと食え。明日とんでもなく朝早いぞ。」
「え…。」
「なんだよ?」
とんでもなく早い出発…。
つまり、明日は起きて早々楽しい世界に私は飛び出すことが出来る。
城にいるのは好きだし。
城のみんなも好き。
それでも。
手を伸ばしても、ずっと行けなかった世界。
分かってる。
この国を出た後は、私は嫌になるくらい自由にその世界を味わうことが出来る。
「…るう。」
「あ?起きれねえとか言うつもりか?」
「そうじゃなくて。ちゃんと起きるし、寧ろ寝ないで朝を待とうかとも思ってる。」
「いや寝ろよ。連れてかねえぞ。」
それでも、やっぱり楽しみなものは楽しみで。
「…るうはやっぱり、流れ星だね。」
「はあ?」
私の願いを叶えてくれる。
るうは私を外に連れ出すのが自分の夢だって言ったけど。やっぱりこれはどう考えても、私の夢で。
どこまでも、私の願いを叶えてくれる。
「ありがとう、るう。」
「…別に、俺のためでもあるし。」

