(一)この世界ごと愛したい




メイドさんに教えてもらった通りに進む、るうに連れられ昨日から夢見た書庫へようやくたどり着いた。



少し古びた扉を開けると、壮観とも言えるほどの本の山、山、山!!!



これ全部読んでいいの!?




「静かにしてろ。誰もいないか確認してくる。」




るうは私に小さな声で呟き、中の様子を確認するため、書庫の奥の方へ一人で向かっていった。


テンションが上がる私は入口から近い、棚にある本を眺めて待つことにする。




「あ、なんかあの本…。」




気になるなーと思い、上の方にあるその本に手を伸ばした時。


棚の上に置かれているだけの本が、ぐらぐら揺れて私の方へ傾くのが見えた。



「えっ…!?」




ドサドサドサー。


と凄まじい勢いで雪崩のように本が降ってくる。




反射的に私は目を瞑った…が。





あれ、痛くない…?


というか、私誰かに…覆われているような…?





ふわりと私の鼻を香のようないい香りが掠める。その香りも気になり、恐る恐る目を開く。





「…痛い。」


「っ!?」


「…やっぱり、君は馬鹿なの?」





だ、第三王子…!!!