「…くそ。何でも許せそうな自分が憎い。」
「お土産たくさん買ってくるね!」
「もう離したくない。」
「…うっ…ハル苦しい。」
抱きしめ返すハルの腕の力が強すぎます。
「リン。」
「なに…?というか、ちょ…強すぎる。」
「俺はお前が楽しそうにしてると嬉しい。だからずっとそうやって笑ってろ。」
「…うん?」
なんか、聞き覚えがあるような台詞だ。
そう言えばアキトもそんなこと言ってくれたっけ。やっぱりハルとアキトは似てるなー。
…それにしても苦しい!!!
「わ、分かったから…!ハル、苦しい…!」
「あー。」
ようやく私を離してくれたハル。
そしてトボトボと執務室へ戻っていくのであった。
その寂しそうな背中が、何とも体格に沿わず可愛く思えて私はまた笑ってしまった。
「…じゃあ、とりあえず飯食ってから準備するか。」
「えーご飯もういいよー。」
「ふざけんな。お前今日また何も食ってねえだろ。」
「…あ、ほんとだ。」
そんなことも忘れていた私は、泣く泣く先に食事を摂るため部屋に向かう。
ママとアルは今日は会食で、城の外でご飯を食べてくるらしいので。どうせ一人だし部屋で食べることにしました。
「じゃあ飯運んでくるから今度こそちゃんと待ってろよ?」
「……。」
「…お前普段俺がいようがいまいが気にしねえくせに。こんな時だけそんな顔すんな。」
「そんなことないですー。ちゃんと待ってるよ。でも五分で帰って来てね。」
「待つ気ねえじゃねーか。」

