(一)この世界ごと愛したい




私はるうの姿を見つけた瞬間、疲れを一旦忘れて駆け寄る。




「決まった!?」


「…ああ。」


「どこ!?」


「…南の避暑地。」




ひ、避暑地!!!


行ったことはないけど本で読んだことある!自然に溢れてて、場所によっては温泉とかあるところもあるらしい場所だ!



慰安旅行にぴったりじゃん!!!




「…リン?」


「うん、行こう!避暑地!」


「え、ああ。お前仕事、大丈夫だったか?」


「余裕です!」




私はるうに飛びついて、満面の笑顔で楽しみだねと伝えると。


私の身体をるうからべりっと引き剥がすハル。




「余裕かあ。そうかそうか、流石は俺のリンだ。もう少し頑張れそうだなあ?」


「え…。でもるう戻って来た…けど。」


「余裕なんだもんなあ?」


「……。」




考えろ、私。


確かに約束はるうが戻るまでの代わり。その分は確かにやり遂げたのでこれは断っていいはず。



だけど、明日から出発とは言え。今日からるうを少しでも楽にしてあげることは…それ即ち慰安旅行の一部になるのではないだろうか。





「リン、こんな性悪相手にせず断っていい。あとは俺がやっとくから。」


「…私やります!!!」




るう、ここは任せなさい。


私に出来ないことなどないんですよ。