(一)この世界ごと愛したい





「よし!じゃあ本探しにいこう!」


「ああ。」




食事も片付けも終わったので、書庫へ出発。


もちろん一人でも行けるように道を覚えながら、頭を働かせる。




「失礼ですが、閲覧可能な書籍がある部屋はございますか?」


「えっ?…は、はい!ございます!」




道がわからないので、るうが近くにいたメイドさんに声をかけた。


メイドさんは顔を赤らめてるうを見つめている。




実際、見た目はいいのよ。うちのるうくんは。


…性格に難があるのが残念なのよ。





「姫。」


「へ?…あっ、はい!」



道を聞き終えたるうが、私に声をかける。


るうに姫って呼ばれることなんかないから。なんか一瞬びっくりしてしまった。



だめだめ!慣れなきゃ!!!