「お姉ちゃんありがとう!」
そう笑顔を向けてくれるアル。
アレンデールは安泰だな。こんなに真っ直ぐ強い芽が既に芽吹き始めている。
「…リン。」
「あれ、ハルお疲れ様。るうは?」
稽古を終えた私はシャワーでも浴びようかと部屋へ戻る途中、同じく一人で歩いていたハルに呼び止められた。
「ルイはまだ仕事中。」
「そっか。」
「…お前どこまで気付いてる?」
主語が欠けたその言葉。
だけど、私にはハルの言いたいことは理解出来ている。
「戦のことでしょ?」
「ああ。」
「元々時間の問題だったからねー。」
「お前、出るつもりか?」
戦に出陣するつもりかと。
ハルが聞くけど、お互いの考えをある程度把握出来る私達の言葉の駆け引きは正直意味を成さない。
「戦には出ないよ?」
「……。」
現在、軍の総司令を担って仕事に明け暮れているハルが忙しくしているのは知っている。
私は政治とか内政については、未だに詳しくないけれど。軍人として国の戦事情には多少鼻が効く。
「東側だよね。私の見立てだと三カ国の連合軍ってとこかな。」
「…お前は一体どこまで見えてんだよ。」
「可笑しな話だよね。目的が私なら、もしこの国に勝てた後はどうやって私を三分割するつもりなんだろ。」
本当に、理解に苦しむ考えだよ。

