「反応遅れてる。ちゃんと相手の剣は見ようねー。」
「バランス崩れてるよー。体幹鍛えようか。」
「足元集中してねー。太刀筋は良かったけど、もう少し間合いに気を気を付けよう。」
気になるところを指摘しつつ。
私は十人ずつ襲いくる兵たちを片っ端から斬って行きます。
セザールでもやったけど、あの時は敵国の兵だし指摘してあげるほど優しくするわけにはいかないし。無闇に本気で斬るわけにはいかなかったので。
かなり手加減していましたが、今日は違います。
「負傷者は自分で医務室まで行け!並び直せる者だけ並び直せ!!!」
この場の隊長が声を荒げる。
最早、地獄絵図のような訓練です。
もちろんそこまでの深手にはならないよう、ある程度の注意は払っております。
私は午前中、ただただ斬って斬って斬りまくる。
執務室の窓からは、この稽古場は一望できるようになっており。
ハルとるうは仕事の間も、私の訓練を盗み見ていた。

