(一)この世界ごと愛したい




既に軍の稽古が執り行われている。


執務室も近いこともあり、ハルに怒られないようにみんな真面目に頑張ってますねー。




「姫様!ご無沙汰しております!」


「うん、久しぶりー。ちょっと混ざりたいんだけど大丈夫?」


「勿論です!」




すぐさま隊長が稽古志願者を集ってくれる。


これは私の稽古では通常の流れで、私が志願者を次々に切り捨てていくだけのほとんど私の稽古。





「…姫様、全員のようです。」


「え、そんなに?私昼からはアルと稽古の約束してあるから午前中しか相手できないけど?」


「半数は諦めさせてきます。」


「…いいよ。五人ずつにしようと思ったけど、十人ずつに隊列変えてー。ついでに剣一本貸してー。」




私は効率良く稽古しようと思い、人数は倍。


剣は二刀流で行くことにした。







「姫様、隊列整いました!よろしくお願いします!」




隊長の声で、みんなそれぞれ頭を下げて挨拶をしてくれます。ありがとうございます。




「はーい。じゃあ順番によろしくー。」