そんなことを考えながら、私は瞳の色の戻すために試行錯誤しています。
鏡の前で、戻そうとしても戻らない瞳を見て肩を落とす私。
やっぱ泣くしかない!!!
変な意気込みで泣こうと思ったけども、悲しくもないのにどうやって泣くんだと泣きの演技に悪戦苦闘。
今までは大体怒ってる時だから、割と感情昂ってるしそのまま泣けるんだけども。
「…レンがいればなー。」
神事の日。
私の瞳を一瞬で戻した奇妙な力を持ったレンがいれば、すぐに元に戻せるのかなと思った。
結局どうにかこうにか凄く悲しい物語の本を読みながら、涙を引き出し鎮火しました。
「やっと戻ったー。」
「…やけに時間かかったな。」
私が安堵しているところに、るうが戻ってきた。
「るう、ハル大丈夫?」
「…ああ、今は何とかな。」
テキパキと朝ごはんの後片付けを済ませるるうは、私の声にも耳を傾けながら手を動かす。
「旅行いつ行くのー?」
「行き先もまだ決めてなかったな。」
「今夜空いてるー?」
ガシャンと、食器がぶつかる音がする。
割れてはいないようだけど、るうにしては珍しいミスというかそんなに動揺することか?
「変な誘い方すんな。」
「ちょっと相談しようー。ハルは撒いてきてねー。」
「…また難しい注文だな。」
「じゃあここで待ってるからねー。」
るうは分かったと言って、早々にハルの元へ戻って行った。
私はシャワーを浴びて、動きやすい服に着替える。
本当は本を読むつもりだったけど、大号泣した後なので若干頭が痛いので予定変更。
帯剣し、稽古場へ向かう。

