結局起きてから何も口にしていない私に、るうが気を利かせてアップルパイを添えてくれていたので。
見たら食べたくなった私は美味しくいただき、コーヒーもしっかり飲み干す。
「ご馳走様ー。」
「後で片付けにくるから置いとけ。絶対に触るな。」
「…これくらい私も出来るよ。」
「俺の仕事を増やすな。」
るうに酷いことを言われながらも、大人しく頷いた私を見て。
ハルとるうは執務室へ向かって行った。
「…ハル、やっぱり元気なかったな。」
そんなに旅行に行きたかったのか。
そう考えると、私だけ楽しむのもいかがなものかと思わんでもなくて。
でもせっかくるうが誘ってくれたし、修行にも付き合ってもらったし、るうの夢らしいし。
「ごめんよ、ハル。」
私は行くことにするよ。
その代わりに、今度ハルを空中散歩に連れて行こう。

