(一)この世界ごと愛したい




じゃあ、ほっとこう。



私だってハルと旅行行きたいけども。


私とるうに続いて、ハルまでがここを離れると国防的にまずいからね。




「お姉ちゃん。僕今日お昼から剣の稽古の日なんだけど、お姉ちゃん一緒にやってくれる?」


「もちろんいいよ!じゃあ午後に稽古場に顔出すね!」


「ほんとっ?待ってるからねっ!」




アルは張り切って部屋から飛び出して行ってしまった。


それをママが追いかける。



可愛い弟のためだ!なんとか午前中に瞳の色を戻さねば!!!





「ほらよ。」



るうがコーヒーを準備してくれたので、私はベッドから起き上がり机に向かう。




「…ハルも一緒に飲む?」


「…飲む。」



ハルは口を尖らせたままだけど、一緒にお茶してくれるようで。


そのまま三人でお茶することになった。




「今日は二人ともお仕事は?」


「これ飲んでから行く。お前どうすんだよ。」


「とりあえず本読もうかなー。」


「まさか裏山に行ったりしねえだろうなあ?」




流石の私も寝起きで、瞳の色もこのままの状態でまたあの修行するのは無理です。


もう私ヨボヨボになっちゃうよ。





「行きませんー。」


「俺はまた空中散歩やりてえ。」


「るう高いところ好きだったんだね。」


「あれ楽しかった。」




そうかそうか。


今日は流石に無茶しないでおくけど、また機会があれば是非一緒に飛びましょう。





「…俺やってない。」


「ハルはじっと出来そうにないから怖いなー。」




三人でも飛べなくはない…けど。


私の気流操作がめちゃくちゃしんどそう。