それはそれは。
ご心配おかけしてすみませんでした。
「お姉ちゃんの目、綺麗だねー。」
「そうかなー。そう言えば誰かもそんなこと言ってくれた気がするなー。」
ふと、記憶を辿る。
『俺には、綺麗で綺麗で仕方ない。暁の綺麗な空を見る度にリンを思い出す。』
そんな言葉を思い出して。
私は無意識に笑みが溢れる。
「…嬉しそうね、リン。」
「でも長時間このままは流石に消耗するから、とりあえず戻せるように頑張るよー。」
「何か食べられそう?」
「んー。」
食欲は残念ながらないけど。
私はチラッとるうを見るとばっちり目が合った。
「…お前こんな時くらい普通のもん飲めよ。」
「寝起きに飲むのがまた美味しいからねー。」
「調子いいこと言うな。」
るうがすぐにコーヒーを淹れる準備に取り掛かる。
そして私は異常に大人しく座ってるハルに目を向けると、ハルとは目が合わず。
ハルは心ここに在らずといった様子で窓に目を向けている。
「…ママ、ハルどうしたの?」
「リンとルイが旅行に行くのに、毎日頑張って頼み込んでも中々承諾してもらえなくて拗ねてるのよ。」
「なるほどねー。」

