(一)この世界ごと愛したい





謝ることしか出来ない。



力のことを隠していたことも。戦とは言ったものの、国王軍八千人を負傷させてしまったことも。





…でも、これが私の正義だ。






「レン、約束守ってくれてありがとう。」


「…もう何回もリンのところに走り出してしまいたかったけど。約束破ったら会わないって言われたし。」


「うん、だからまた会えるね?」




にこりとレンに笑顔を向けると。


レンも少しだけ笑って、私の顔へその手を伸ばす。





「…レン?」


「どんな瞳の色でもリンはリンで。俺はどっちも好きだけど。医者としては…少し心配だから。」





その冷たい手を、私の瞼に添える。


心地いいその冷たさに私は目を閉じる。





手が離れた時、恐る恐る目を開ける。





「…うん。戻ったね。」


「ほんと?レンすごいね?」




摩訶不思議。


私の瞳の色を緋色に戻してみせたレン。







「…お兄さんにすごい睨まれてる。」


「大丈夫だよ、ハルは大体誰にでもあんな感じだから。」




遠目からレンに殺気まで向けているハル。


長居は出来ないなと、苦笑いを浮かべる私にレンが優しく微笑む。





「よかったね、無事に会えて。」


「レンのお陰だよ。本当にありがとう何回言っても足りないね?」


「気にしなくていいから、行ってあげて。」





私を送り出してくれるレン。









「…またね、レン。」




私はそんなレンに別れを告げて、ハルとるうが待つ方へ進む。