(一)この世界ごと愛したい





わかってる。



私は力を解放すれば、もうアレンデールに居続けることは出来ない。



出来ないと言うか、したくない。





戦神と持て囃されるだけで、国を崩壊させてパパが殺されてしまった。



それが火龍の力ともなれば、再びアレンデールへこの力を求めて敵がまた集ってくる。各国が手を結び、アレンデールを滅ぼさんとする可能性だって大いにあり得る。





それを分かった上で、私は愛する国にはいられない。


そしてそのことにハルも気付いている。




だから無理をしてでも、ここに来てもらったんだ。




決断できない私の背中を押してほしいと。私に変わって決断してほしいと。



そんな弱い私が作り上げた、シナリオ。








「おいおい、敵を前にして下を向くな。」


「っ…!」





ハルはやっぱり強い。



甘えてばかりの私なんて、きっと一生敵わない。









「…お前の痛みも覚悟も分かった。」



「…ハル。」



「後のことは後で考える。お前の退けない戦なんだろ。じゃあしっかり前見て戦え。」





ハルはそう言って、大刀を背中に収めた。

















「…舞え、リン。」