わかってる。
私は力を解放すれば、もうアレンデールに居続けることは出来ない。
出来ないと言うか、したくない。
戦神と持て囃されるだけで、国を崩壊させてパパが殺されてしまった。
それが火龍の力ともなれば、再びアレンデールへこの力を求めて敵がまた集ってくる。各国が手を結び、アレンデールを滅ぼさんとする可能性だって大いにあり得る。
それを分かった上で、私は愛する国にはいられない。
そしてそのことにハルも気付いている。
だから無理をしてでも、ここに来てもらったんだ。
決断できない私の背中を押してほしいと。私に変わって決断してほしいと。
そんな弱い私が作り上げた、シナリオ。
「おいおい、敵を前にして下を向くな。」
「っ…!」
ハルはやっぱり強い。
甘えてばかりの私なんて、きっと一生敵わない。
「…お前の痛みも覚悟も分かった。」
「…ハル。」
「後のことは後で考える。お前の退けない戦なんだろ。じゃあしっかり前見て戦え。」
ハルはそう言って、大刀を背中に収めた。
「…舞え、リン。」

