(一)この世界ごと愛したい







「…おいルイ、俺は死んだのか。」


「馬鹿言ってねえでさっさと行くぞ。」


「あれが天使じゃねえならなんだ。」


「リン一人になんて人数だよ。」




遠目から、私の姿を捉えたハルとるう。


ふざけてるのか真剣なのか分からないが、あまりの敵の数に流石に焦りの色が滲む。





「…ハル、戦えんのか?」


「ざっと一万くらいか。こっちは三人。普通に考えりゃ俺が万全でも勝機は薄いだろ。」


「リン抱えて逃げるか。」


「逃げていい戦いなら、リンは一人でとっくに逃げてる。それが出来ねえから戦ってんだ。」





さてさて、どうしたものかと。


ハルも私同様、満天の星空に目を向ける。











「…リンの掌で転がされたのは、お前だけじゃなかったらしいな。」


「は?」


「…この俺まで嵌めるとはな。リンには一体どこまでモノが見えてるんだよ。」





ハルは大刀を強く、握り締める。


そして、悔しさと悲しさと切なさを含んだ目で再び私へ目を向けて。






ハルは、笑う。







「…やっぱりリンは、戦の神に誰よりも愛されてるんだなあ。」







もう、戦場は目前。







「行くぞ、ルイ。」



「ああ。」