ぴょんぴょんと跳ねて。
軽い準備体操する私の元へ、続々と国王軍が正面へ立ちはだかっていく。
…全員って、何人いるんだ。
「多いなー。」
「貴様の栄花もここまでだ。このような謀反を起こしてただで死ねると思うなよ。」
「元はこうして奪われたんで。これでおあいこじゃないー?」
「何だと!?」
国王軍の指揮官だろうか。
名前まで知らないけど、またもや偉そうな人が文句を言ってくるが口でも負けない私。
その悠然としている様子が勘に障ったのか、それはそれは怒っていらっしゃる。
「…怪我はしない約束だからなー。」
どこまで持つかなー。
さすがに全員相手にしていたら私とて体力的にも現実的にも無理ゲーですねー。
満天の星空を見上げて、私は目を閉じる。
「悪いけど、最初から全開で行くね?」
瞳の色を紅と化し、再び目を開く。
こうして戦神としての最後の戦の幕が開けた。
国王軍指揮官の号令で、一斉に襲いくる国王軍達。
ふわり、ふわりと。
敵の剣を躱しつつ、攻撃の手は緩めない。
多勢に無勢なんて感じさせない私の戦いに、目を奪われた者がどれほどいただろう。
そんな私の脳裏では、ここからの作戦を既に考え始めている。
だから、怖くないよ。
だって、もうすぐ会える。
懐かしい、大好きなハルの音が。
いつもの、安心するるうの音が。
聞こえるから。
もう近くまで来ていることが、私にはなんとく分かってしまったから。

