二つ目のお願いが意外だったんだろう。
周囲も思わず口をぽかんと開けるほど驚いている。
「城を…明け渡せと?」
「あー、中は別にそのままでもいいよ。私が居座るわけじゃないから。」
「は?」
「その城、レンにあげて?」
もう意味が分からないと言わんばかりに、恐怖しつつも不思議そうな顔のスーザン。
「…こんな王宮に残していくと遠慮もするだろうし。レンは自由に患者さんと向き合えないだろうから。いっそ、別の場所に移してあげようと思って。」
「しかし…。」
「元々レンが大将で勝ち取った城でしょ?」
「あの城は奪い返されるわけにはいかない、セザールの重要な拠点で…。」
死地に立たされているにも関わらず、意外と冷静に国のことを考えているスーザンに少し驚いた。
まあ、あの場所は確かに重要だろうね。
「じゃあレンごと頑張って守ったら?」
「…分かった。城はレンに委譲する。」
その返事を聞いて。
私はありがとうとスーザンにお礼を伝える。
「…自分の命乞いはしないのか?」
「あれ?心配してくれるの?」
「違う!この交渉は姫が生きてここから逃れなければ成立しない!生きてこの国を出られると…本気で考えているのか!?」
スーザンの的を得た発言に。
周りも賛同して、私への敵意を沸々と湧き上がらせる。

