私は辺りを見回して、とりあえず偉そうな文官一人に声をかける。
「スーザン様が王になるよね?」
「当然だ!だからその剣を収めろ!!!」
よかったよかった。
これで違う人が王になるって言われたら、私ひっくり返っちゃうよ。
「だからスーザン様、ここで私と取引しましょう。あなたの命を賭けて。」
「なっ、何でもする!!!」
「…まだ何も言ってないよー。」
でも聞いてくれるようで安心した。
ここでスーザンが交渉に応じず、自分の命を捨ててまで私の命を取ろうとするような名将であれば、私の命運はここまでだった。
「私からお願いが二つ。一つは医術制限の撤廃。これでレンの罪は帳消しに出来るよね?」
「馬鹿を言うな!我が国の医術を制限なしに解放するなどあり得ん!!!」
「誰か知らないおじさんは黙っててねー。私は新たな王に交渉してるんですー。」
偉そうな文官が会話に割って入ったので、それを制してスーザンの答えを待つ。
「…わ、わかった。言う通りにする。」
「はい。ということでおじさんもオッケー?」
「ぐっ…なんと卑怯な…!」
王の首に剣を突き立てながらの交渉だからね。
大体のことはすんなりオッケーだろうとこちらも思っていますよー。
「レンのこともちゃんとよろしくね。」
「あ、ああ。」
「じゃあ二つ目。先の戦で勝ち取った、ディオンの城をください。」

