(一)この世界ごと愛したい





私は辺りを見回して、とりあえず偉そうな文官一人に声をかける。




「スーザン様が王になるよね?」


「当然だ!だからその剣を収めろ!!!」




よかったよかった。


これで違う人が王になるって言われたら、私ひっくり返っちゃうよ。





「だからスーザン様、ここで私と取引しましょう。あなたの命を賭けて。」


「なっ、何でもする!!!」


「…まだ何も言ってないよー。」




でも聞いてくれるようで安心した。


ここでスーザンが交渉に応じず、自分の命を捨ててまで私の命を取ろうとするような名将であれば、私の命運はここまでだった。






「私からお願いが二つ。一つは医術制限の撤廃。これでレンの罪は帳消しに出来るよね?」


「馬鹿を言うな!我が国の医術を制限なしに解放するなどあり得ん!!!」


「誰か知らないおじさんは黙っててねー。私は新たな王に交渉してるんですー。」




偉そうな文官が会話に割って入ったので、それを制してスーザンの答えを待つ。







「…わ、わかった。言う通りにする。」


「はい。ということでおじさんもオッケー?」


「ぐっ…なんと卑怯な…!」




王の首に剣を突き立てながらの交渉だからね。


大体のことはすんなりオッケーだろうとこちらも思っていますよー。




「レンのこともちゃんとよろしくね。」


「あ、ああ。」





「じゃあ二つ目。先の戦で勝ち取った、ディオンの城をください。」