(一)この世界ごと愛したい





「待っててね、レン。」


「ん?」


「レンの進む道を、切り拓いてくる。」




そう。


この謀反は、復讐だけが目的ではない。



レンが自由に過ごせるように。


何にも縛られずに、国境を越えてでも治したい人を治せるように。






「…そろそろかな。」




夕日は遥か水平線に沈み。


月と星達がゆっくりと、輝き始める。










「この神事の主役とも言える、我がセザール国の戦の神に祈りを捧げよ。」



この台詞は元々決まっていたんだろう。


セザール王が、声高々言い切ると一斉にこの場の全員が私に身体を向け。


全然理解も出来ない祈りをくれる。











みんなが無意味な祈りを捧げる中。


私は一人、台座から立ち上がる。







「…祈られても、私にはその祈りを汲み取ってあげられないんだよね。」





私は静かに剣を抜き。



セザール王の前に立つ。