「待っててね、レン。」
「ん?」
「レンの進む道を、切り拓いてくる。」
そう。
この謀反は、復讐だけが目的ではない。
レンが自由に過ごせるように。
何にも縛られずに、国境を越えてでも治したい人を治せるように。
「…そろそろかな。」
夕日は遥か水平線に沈み。
月と星達がゆっくりと、輝き始める。
「この神事の主役とも言える、我がセザール国の戦の神に祈りを捧げよ。」
この台詞は元々決まっていたんだろう。
セザール王が、声高々言い切ると一斉にこの場の全員が私に身体を向け。
全然理解も出来ない祈りをくれる。
みんなが無意味な祈りを捧げる中。
私は一人、台座から立ち上がる。
「…祈られても、私にはその祈りを汲み取ってあげられないんだよね。」
私は静かに剣を抜き。
セザール王の前に立つ。

