(一)この世界ごと愛したい





この後も式典は続くが。


私は神という扱いのため神事の行は受けなくていいらしく。本当にただ座っているだけ。



正直時間の無駄だと思っています。




「レンは受けないの?」


「俺が信仰心ないのみんな知ってるからね。リンの隣にいる方がよっぽど心が清まるよ。」


「…それ褒めてる?」


「もちろん。」




にこっと微笑むレン。


その綺麗な笑顔の方が、効果ある気がします。




それにしても、これから家族を討たれるというのにレンのこの飄々さはすごいな。


余程この父と兄に興味がないんだろう。



こんな阿呆二人じゃ、そうなる気持ちも分からなくはないけどね。





「…リンは大丈夫?」


「私の心配するとこじゃないよ?」


「あ、そうか。」




今から家族を討とうという、加害者を心配する人がいるなんて思わなかった。


しかもその遺族になるだろう人が。


レンは言われてみればそうかと、ようやく自分の矛盾に気付いた様子。





「でもいいんだ。この国の歪みを、リンが正してくれるなら。」


「え?」








「例えどんな罪を背負うことになったとしても、俺にとってはリンだけが正義だよ。」




内なる炎が喜ぶように、私の闘志にも火が灯る。


私の正義を、信じてくれる人がいる。




それだけでもう、これ以上にない力が自分に宿った気がする。