(一)この世界ごと愛したい




「おお…。」


「まさに女神だ。」


「何と美しい…。」




相も変わらず、私が姿を出すだけで全員の視線を一手に集め。たくさんのお褒めの言葉をありがとうございます。


神様役は今日で最後なので。見納めですから存分に堪能してくださいねー。





「陛下、遅くなり申し訳ございません。」


「良い。神の台座に相応しい出立、私の見立てに狂いはなかったな。」


「ありがとうございます。」




言っとくけど趣味は良くないぞー。


こんなヒラヒラの布、私の好みじゃないぞー。




「美しい女神が舞い降りたようだ。」


「身に余るお言葉です。私はちゃんと地に足をつけ、陛下の御前におりますよ。」


「ああ。嬉しい限りだ。」




私とセザール王が会話しているのを。


じっと舐めるように見つめる男がいるのに、気付いてはいるが。




私は敢えて目を向けない。


エリクのことは、首を落とすその時まで捨て置こう。





「…レンはまだか。」


「すみません。私の忘れ物を取りに行ってくださっていて…。」


「姫の所用か。では仕方ないな。」




私のことに関してはいつまでも激甘だな。


その甘さも利用させていただきますが。