(一)この世界ごと愛したい





お願いしなくても、たぶんレンは叶えてくれる気がするなって。そう思えたから。


私が力を解放してしまったら、驚かせるし、怖いかもしれないし、もしかしたら私を軽蔑するかもしれない。




だから三つ目は、そんな私でも許してほしいと。受け入れてほしいと。お願いというより、私の祈りだったから。






「じゃ、一つ目を先に叶えてくるよ。」


「えっ?」


「遅れて行くからリンは先に行ってて。」




まさかのレンは堂々と遅刻する気のようで。


もう広場も目前にも関わらず、馬舎へ足を向けて特に急ぐわけでもなく。のんびりと歩いて行ってしまった。




…自由だなあ。


ぼんやりさんはこんな時でも健在か。





「レンらしいな。」



私は一人、そう呟いて。



これから復讐の惨劇が幕を開けるだろう、広場へ足を踏み入れた。