(一)この世界ごと愛したい




唇が離れたと同時にレンは私を抱き締める。




「…勘弁してよ。」


「え?」




「やっとの思いで気持ちを整理してここに来たのに、一気にまた離れたくなくなった。」




そう言って、私の肩に顔を埋めるレン。


私は思わず笑みが溢れて、そんなレンの頭をぽんぽんと撫でる。





「…この後のことを考えると、レンは私にもう会いたくなくなるんじゃないかなって。少し不安だった。」


「そんなこと天地がひっくり返ったってあり得ない。」


「絶対?」


「絶対の絶対。」




少しムキになってるレンが、可愛く見える。





「私がもしも怪物でも?」


「こんな可愛い怪物なら俺は食べられてもいいよ。」


「私が大勢の人を殺しても?」


「それはきっと誰かを守るためだって俺は知ってる。」





ああ…。


レンの気持ちが伝染したみたいだ。






私も、離れたくないと…心が訴えている。