(一)この世界ごと愛したい





ハッと、我に帰った時。



一瞬何が起こったのか分からなかった。





レンの背に合わせて背伸びした足も。レンの頬に添えた手も。


そして、レンにそっとキスした唇も。








「…え?」



「…ご、ごめんっ…!!!」




気付いた時には、レンの驚いた顔が目の前にあって。



我に帰って全力で謝る私を、瞬きの仕方を忘れてしまったレンがただ見つめている。





「…リン?」


「いや、ほんとにごめん!なんかちょっと、レンと離れるのが寂しくなって、つい…んっ…!?」





再び今度はレンが、私の腕を引き寄せて。


私にキスを落とす。




何度目のキスなのかは覚えてないけど、今までで一番レンを近くに感じられている気がするのは…どうしてだろう。