態々店まで打ち合わせに来てくれた上に、門の前で助けてくれて、終いには店まで送ってくれたのに、名前を聞いていなかったなんてとんだ失礼なことを…
絶対してくれないだろうけど、ロバートさんにげんこつでもしてもらいたい気分だった。
「っぶ!はははははっ!!」
「っ!!」
急なことに、思わず肩があがる。
暫く硬直していた彼は、突然吹き出すように思いっきり笑い出した。
綺麗な顔をくしゃくしゃに破顔させたその姿は、今までの彼の中で1番人間味を感じた。
綺麗すぎた彼は隙がなくて、ずっと余裕そうだったからそんな姿を見てこうやって笑うこともあるんだと、意外だった。
暫く笑っていた彼が落ち着くまで、私はなんで彼がこんなにも笑っているのか状況を把握できず、ずっと困惑するしかなかった。
「ごめんごめん、…あーあー久しぶりにこんなに笑った」
そう言ってやっと笑いがおさまった彼は、綺麗に柔らかく口元を緩めるとゆったりと教えてくれた。
「ルカ。そう呼んで?」
甘い甘いトーンで、耳の奥にじーんと響いた。



