「…若のこと知ってたよね?」
私の反応に、彼は戸惑ったように問いかけてきた。
やっぱり知っていて当然のような人だったみたいだ。
大して興味がなかったからそこまで気にかけたことがなかった。
どうしよう、大切なお客様になるって分かっていたらもっと近所の人の話をよく聞いていたのに。
「すみません、存じ上げなくて…あの、大切なお客様に失礼しました」
失礼なことをしてしまったとかなり申し訳なくなる。知っていて当然のような人なら尚更気まずい…
自分の不甲斐なさに落ち込んできたところ、私は更なる失態に気づいた。
「その、大変恐縮なのですが、お名前伺ってもよろしいでしょうか…ロバートさんから聞いてなくて…」
何故かさっきからずっと硬直している彼に遠慮がちに聞いた。



