そう純粋に疑問を投げかければ、彼は少し目を見開いていた。
「さっきの黒髪の男。樋口組若頭、樋口雅人。」
彼は何故か、知っているでしょ、というような、さも知っていて当たり前かのようにさらっと教えてくれた。
そうなんだ、あの人が樋口組の偉い人なのか。
近所の人から間接的に耳にした情報しかなかったのでよく分からなかったけど、兎に角あの人が偉い人ということは分かった。
「そうだったんですね。」
偉い人ということは、やっぱり挨拶をせずにきてしまって失礼だった気がする。
これでは、せっかく御贔屓にしていただけるのに礼儀がなってなくてお店の看板に泥を塗ってしまう。
「(……あとでロバートさんに謝らなくちゃ…)」



